英語学習をスポーツに例えるならば、打ち合わせや英会話教室など実践する機会は「試合」、音読やシャドーイングは「練習・筋トレ」、英文記事を読むなどは「栄養価の高い食事」と言えます。中でも、中・上級者が次の段階に達するのに特に効果的なのが「筋トレ」です。
リスニングとスピーキングをレベルアップするには、口周りの筋肉と脳の処理能力を英語仕様に鍛える必要があります。そこで効果的なのが、音に合わせて英文を読むオーバーラッピングと、音を聞きながらちょっと遅れて声に出してついていくシャドーイングという方法です。
オーバーラッピングは発音・リズム・イントネーションのトレーニングに優れており、シャドーイングはリスニングとスピーキングに必要な筋力を同時に鍛えるのに効果的です。この2つの方法では英語の処理速度を高め、聞く・話すといった2つの事に同時に注意を払うスプリット・アテンション力を養うことができ、実際の場面でのコミュニケーションを大幅に改善することができます。
シャドーイングやオーバーラッピングといった効果的な手法を聞いたことがあっても実践したことがない人、試したことはあっても続かなかった人も多いかと思います。その理由は、始めるのも難しいし、続けるのも難しいからです。
適切なレベル・興味・長さの音源を用意するのは手間暇がかかります。せっかく見つけてもトランスクリプトが無かったり、ビジネスに役立たなかったり、整い過ぎて実践的でなかったり、雑音やアクセント等で実用的でなかったり、なんてことはざら。始める前にこけてしまいます。奇跡的に始められても、筋トレは一般的に地味で辛いので、気づけば何らか理由をつけてやらなくなるのがオチです。
つまり、意志だけではどうにもならないのです。始めて続ける仕組みが必要です。